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“性格”だと見過ごされやすい気分変調症。治療で改善できる疾患です

2022/1/11 最終更新

気分変調症という疾患名を聞いたことがあるでしょうか? 
あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、特に珍しいわけではなく、どちらかというと一般的な疾患です。

ではなぜ、あまり聞いたことがないのでしょうか。実は、気分変調症はその特徴により見過ごされやすいのです。そのため、認知度はあまり高くなく、生きづらさにつながっていることがあります。今回はそんな気分変調症の一側面にフォーカスをあててみます。

  • 気分変調症の症状を“性格”だと思って見逃していませんか?

    「もともと、こんな性格だから……」

    気分変調症の症状を、上記のように“性格”だと誤解している方は少なくありません。
    周囲の人からの誤解も多いですが、自分自身のことでもこう考えている人が多いのが気分変調症の特徴ともいえます。

    気分変調症は若い時期に発症することが多く、さらに抑うつ気分の症状が長期間続くため、異変だと気づかずに受け入れている方が多いようです。

     

    思春期特有の感情変化
    人生とはこういうものと捉えている
    もともとの性格だから仕方ない

     

    こんなふうに思っていると、病気の発見は難しそうですよね。実際、発症から治療開始まで10年ほどのタイムラグがあることも珍しくありません。発症から発見までに時間がかかることもひとつの原因といえるでしょう。

  • 気分変調症は改善できます

    “性格”だと見過ごされやすい気分変調症。治療で改善できる疾患です

    気分変調症は改善が見込めます。病状が変化しやすいことも気分変調症の特徴のひとつです。

    ただ、変化しやすいというのは、必ずしも改善とは限りません。他の疾患へ移行したり、併発したりすることもあります。
    その場合には、パニック障害などの不安障害が比較的多いといわれています。どんな形であれ、現状を受け入れることは必要なことです。その点では、性格だからという捉え方でも、現在の状況を受け入れていること自体は良いことだといえるでしょう。

    しかし、「性格だから変えられない」と諦めたり、困りごとが生じているのに改善できなかったり……受け入れたあとの感情や行動がネガティブなものであると気分変調症も改善できません。性格だと思って諦めて放置していると、変換点がきたときにコントロールできません。

    そのため、放置することは得策ではないでしょう。もしかしたら……と思うことがあれば専門家への相談も検討してみてください。

  • 気分変調症の治療方法

    「放置しない方がいいのはわかったけど、どんな治療をするのかまったくわからないのは不安……」こんなふうに思う方もいるかもしれません。

    あまり聞いたことのない疾患では、治療もどんなものなのか予想ができなくて少し怖い印象を受けてしまいますね。そこで気分変調症の治療方法にはどんなものがあるのか、簡単に触れておきたいと思います。次のような治療法があり、単独で治療したり、並行しておこなったりします。

     

    薬物治療
    認知行動療法
    精神分析療法
    対人関係療法
    支持的精神療法

     

    治療方法については聞いたことのあるものが多いのではないでしょうか。他の精神疾患の治療にも用いられている方法ですよね。
    もちろん、症状によって使用するお薬や、各療法における細かいアプローチは少しずつ異なりますが、内容がまったく予想できないものではないかと思います。

  • まとめ

    気分変調症の治療方法

    気分変調症は元々の性格だと捉えられがちで、発見が難しい疾患です。
    発症してから治療を開始するまでに長い時間を要することも珍しくありません。 知らずに放置していると症状がより長く続くだけでなく、他の精神障害へ移行したり、併発したりしてしまう可能性も高まります。

    気分変調症には薬物療法も奏功するといわれていますし、他の治療方法の選択肢もあります。
    治療方法の選択は自分だけでは難しいので、医師としっかり意思共有をして治療を進めていきましょう。

     

    ※コラム中の画像は全てイメージです

執筆:コラム編集部
執筆:コラム編集部
医療・福祉分野で主に障害のある方の支援を10年以上従事。これまでの経験とノウハウを活かし、さまざまな事情から不調になり休職したり、働けなくなったりした方向けに、復職や就職などの“働く”をテーマに少しでも役立つ情報を執筆。
監修:藤澤 佳澄
監修:藤澤 佳澄
大阪大学 大学院人間科学研究科 博士後期課程単位取得退学。大阪大学非常勤講師をはじめ、各種教育機関で教鞭をとる。 メンタルクリニックにて十年弱心理職として従事。「体験型ワークで学ぶ教育相談」(大阪大学出版会)一部執筆。現在は特定非営利活動法人Rodinaの研究所にて、リワークを広く知ってもらうための研究や活動をおこなう。