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リリース2025.09.25

復職者の約9割が「働き方やキャリア観が変化した」
〜復職経験者100人に聞いた「キャリア観と働き方の変化」〜

復職後の現在「働き方やキャリア観が変化した」約9割

復職・就職支援をおこなう株式会社Rodina(本社:広島県広島市、代表取締役:山田 康輔)は、メンタルヘルス不調(うつ病、適応障害など)により休職を経験し、復職を果たした全国のビジネスパーソン100名を対象に、「復職後のキャリア観と働き方」に関する調査をおこないました。その結果、復職後、働き方への意識が変化し、健康や自分のペースを重視する傾向が明らかになりました。

ポイントまとめ

  • 復職経験者の91%が、復職後に働き方やキャリア観が変化したと回答
  • 重視することは「自分のペースや体調への配慮」(63%)、「人間関係・職場の雰囲気」(40%)、「柔軟な働き方(リモート・時短など)」(34%)
  • 復職後の課題は「心身の不調の再発が不安」(41%)、「復職支援制度の不足」(27%)、「相談しにくい雰囲気」(25%)
  • キャリア観は「昇進より健康・長く続けられる働き方」へシフト
  • 企業・社会への期待は「柔軟な働き方の選択肢」「メンタル理解・研修」「ハラスメント対策」「育児・家庭との両立支援」
  • 日々の工夫は「無理をせず休む」「こまめな休憩」「優先順位付け・可視化」「相談しながら業務を進める」
  • 健康と自分のペースを重視する働き方が定着

背景と示唆

テーマ:「復職後のキャリア観と働き方」に関する調査

本調査では、復職経験者の91%が「働くことへの考え方・向き合い方が変化した」と回答しており、特に健康や自分のペースを重視する意識へのシフトが顕著でした。復職者は、無理をせず休む、優先順位を付けて業務を進める、こまめに休憩を取りながら働く、一人で抱え込まず相談するなど、日々の工夫を実践しています。また、柔軟な働き方や職場の理解、メンタル面への配慮が安心して長く働く上で重要であることが示されました。
一方で、「心身の不調再発への不安」や「復職支援制度の不足」、「相談しにくい雰囲気」など、制度・風土面での課題も依然として存在することが明らかになりました。これらの結果は、復職支援において形式的な制度だけでなく、個人のペースや健康に寄り添った柔軟な働き方の提供や、日常的な職場の理解・コミュニケーションの質が重要であることを示唆しています。

調査詳細

復職者の約9割が「働き方や仕事への向き合い方」に変化を実感

復職後の働き方や仕事への向き合い方の変化については、以下の通りでした。 「大きく変化した/やや変化した」:91% 「変化していない」:9% 全体の91%が、復職を経て自身の働き方や仕事への向き合い方に変化を実感しており、多くの人が体調やライフスタイルに合わせた柔軟な働き方や業務の進め方を意識するようになっていることがうかがえます。

復職者が働く上で重視することの傾向

復職後、仕事をする上で大切にしたいこととして特に多くの人が重視していたのは以下の通りです。 自分のペースや体調に配慮した働き方:63% 人間関係や職場の雰囲気:40% 柔軟な働き方(リモート/時短など):34% これらの結果から、復職者は体調やペースに合わせた柔軟な働き方と、安心して相談できる職場環境を重視していることが示唆されます。

復職者の多くが「心身の不調や復職環境の課題」に悩みを抱える

復職後の働き方やキャリアにおける課題について、特に多くの人が感じていたのは以下の通りです。 心身の不調が再発しそうで不安だった:41% 復職支援制度が十分でなかった:27% 相談しにくい雰囲気があった:25% これらの結果から、復職者にとっては体調面の不安に加え、制度や環境面での支援不足が働き方やキャリアの難しさにつながっていることが示唆されます。

復職者の働き方・キャリアへの満足度

復職後の現在の働き方やキャリア設計に対する満足度は以下の通りです。 とても満足している:15% まあまあ満足している:51% 合計で約7割の復職者が現在の働き方やキャリアに一定程度満足していることが分かりました。

あまり満足していない:24% まったく満足していない:10% 一方で約3割の復職者は現状に満足しておらず、働き方やキャリア設計に改善の余地を感じていることも示されています。

復職経験者の実際の声:キャリア観・将来像の変化

復職後、働き方や将来像に関して、実際の声としては以下のようなコメントが寄せられました。

  • 「仕事よりも自分の心身のほうが重要で調子の悪いときには無理をしないようになった」
  • 「ワークライフバランスを考えて働くようになり、体調や気持ちをよく考えながら働こうとしている」
  • 「家庭優先になりました」
  • 「長く平穏に働ける職場環境を重視するようになった」
  • 「無理なくやれる範囲で、最低限のノルマをこなす様になった」
  • 「100%を目指さなくても充分やれていると思えるようになり、楽になった」
  • 「出世よりも自分のペースで働くことができることが大切」
  • 「自分の好きなことをやって、自由な時間がほしくなった」
  • 「自分自身のメンタルの波を観ながら業務にあたっている」
  • 「ありのままを受け入れる勇気を得た」
  • 「自由に働ける環境を選んだ」

復職経験者の実際の声:企業・社会に望むこと

復職経験者からは、企業や社会に対して以下のような具体的な希望が寄せられました。

  • 「社員の体調や心身の変化に敏感になって欲しい」
  • 「企業や社会には多様な働き方の選択肢を提供し、個々のライフステージや価値観に応じた柔軟な制度を整備してほしい」
  • 「出社回数や仕事をする場所などを自由に変えることができ、出社する時間もフレキシブルに変えることができるようにしてほしい」
  • 「リモートワークやフレックスタイム導入、育休の取得など働き易さと評価基準の見直しの実施」
  • 「ワークライフバランスをよく話し合って、お互い働きやすい環境がなにかを相談、共有すること」
  • 「長く働けると言うことが大事なので、働きやすい環境作りをこれからもおこなってほしい」
  • 「人に合った職場作りをしてほしいと思いました」
  • 「休職しても、現状の地位維持できるようにしてほしい」
  • 「自由に休みたい」「一人ひとりに合った働きかたをさせてほしい」

復職経験者の実際の声:日々の働き方・仕事の進め方

復職後、働き方や仕事の進め方で意識していること・工夫としては、以下のようなコメントが寄せられています。

  • 「調子が悪いときは無理をせずに休むようにしている」
  • 「とにかく、マイペースを心掛けている」
  • 「時間管理や優先順位の付け方を意識するようになった。タスクを可視化して計画的に進めている」
  • 「自分一人で抱え込まず、業務を熟知している人に助けを請うようにしている」
  • 「相談相手を増やすようにした」
  • 「無理して仕事を詰めず、自分がしなくても良いことは率先してしないことにしている」
  • 「仕事のことばかりではなくプライベートを充実させている」
  • 「家族とも、上司や同僚とも、よく話してお互いの理解を深めるようにしている」

調査概要

  • 調査名:「復職後のキャリア観と働き方」に関する調査
  • 実施時期:2025年8月
  • 調査手法:インターネット調査
  • 調査対象:メンタルヘルス不調(うつ病、適応障害など)で休職後、復職した全国のビジネスパーソン
  • 回答数:100名
本調査監修者:山下明子

本調査監修者:山下明子

【所属・経歴】

  • 佐賀県鳥栖市生まれ。内科医、脳神経内科医、医学博士、産業医。
  • 医療法人社団如水会今村病院 神経内科所属。
  • マインドフルネス、well-being、栄養、運動、睡眠、脱依存、習慣化という7つの要素を提唱。
  • 現在は、診療、産業医活動、YouTube配信、執筆などをおこなっている。