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リリース2025.10.31

復職者の支えになった存在は「家族や配偶者の支え」が約8割
〜復職経験者100人に聞いた「復職を支える“まわりの力”」〜

復職者の支えになった存在は「家族や配偶者の支え」が約8割

復職・就職支援をおこなう株式会社Rodina(本社:広島県広島市、代表取締役:山田 康輔)は、メンタルヘルス不調(うつ病、適応障害など)により休職を経験し、復職を果たした全国のビジネスパーソン100名を対象に、「復職を支える周囲の人・関わり方」に関する調査を実施しました。その結果、復職者の約8割が家族や配偶者の支えを実感しており、特に配偶者の役割の大きさが浮き彫りになりました。

ポイントまとめ

  • 支えになった存在は「配偶者」(40%)、「親やきょうだいなどの家族」(41%)が突出
  • 最も支えになった人は 「配偶者」(33%)が最多
  • 関わり方では 「自然に接してくれた」(41%)、「感情に寄り添ってくれた」(39%)、「一緒に過ごす時間を作ってくれた」(33%)が上位
  • 支えが必要だった時期のトップは「休職中の療養期」(40%)、次いで「復職可否の判断期」(24%)
  • 一方で、「復職直後に支えが必要」と答えたのは10%にとどまる
  • 支援のつもりが負担になったこととして、「頑張って」といったプレッシャー(28%)が最多
  • 今後望む支援は 「回復ペースは人それぞれと理解してほしい」(39%)、「適切な距離感を保ってほしい」(28%)など “尊重と距離感”を求める声が多い

背景と示唆

テーマ:「復職を支える周囲の人・関わり方」に関する調査

本調査では、復職経験者の約8割が、休職中や復職後にご家族や配偶者からの支えを実感しており、特に配偶者の役割の大きさが浮き彫りになりました。復職者は、無理をせず休む、優先順位を付けて業務を進める、こまめに休憩を取りながら働く、相談できる相手に気軽に話すなど、日常的に工夫しながら復職生活を送っています。また、ご家族の理解や支えがあることが、安心して復職を果たし、長期的に働き続ける上で重要であることも示されました。

一方で、休職中や復職可否の判断期など、支援が特に必要なタイミングにおいて十分なサポートが得られないケースや、周囲の配慮がかえって負担になった経験もあることが明らかになりました。これらの結果は、復職支援において、形式的な制度だけでなく、ご家族や周囲の人の理解・日常的な関わりの質が、安心して復職生活を送るために不可欠であることを示唆しています。

調査詳細

復職者の約9割が「働き方や仕事への向き合い方」に変化を実感

復職者が支えになった存在(複数回答)として、特に多かったのは以下の通りです。

  1. 配偶者(夫・妻):40%
  2. 親・きょうだいなどの家族:41%

最も支えになった存在(単一回答)では、

  1. 配偶者(夫・妻):33%
  2. 親・きょうだいなどの家族:22%

という結果となり、ご家族、とりわけ配偶者の支えが、復職において非常に重要であることが明らかになりました。

復職中・復職前に支援が特に必要だった時期

復職者が特に支えを必要と感じた時期として、特に多かった回答は以下の通りです。

  1. 休職中の療養期:40%
  2. 復職の可否を判断する時期(産業医面談・人事調整など):24%
  3. 復職を決める前の準備期:17%

復職者が特に支えを必要と感じたのは、休職中や復職可否を判断する時期に集中しており、適切なタイミングでのサポートの重要性が示されました。

復職者が支えと感じた関わり方

復職者が支えとして実感した具体的な関わり方(複数回答)として、特に多かった回答は以下の通りです。

  1. 無理に聞かず、自然に接してくれた:41%
  2. 話を聞き、感情に寄り添ってくれた:39%
  3. 一緒に過ごす時間を作ってくれた:33%

これらから、ご家族や配偶者、同じ経験を持つ仲間による「寄り添い・理解・そばにいること」が復職者にとって最も大きな支えになっていることが示されます。

周囲の支援で負担に感じたこと

周囲からの“支援のつもり”の言動で負担に感じたこととしては以下が挙げられました。

  1. プレッシャーをかけられた(例:「頑張って」「回復を急かされた」):28%
  2. 頻繁に体調を聞かれすぎた:24%
  3. 腫れもの扱いされた:20%
  4. プライバシーを詮索されるような質問をされた:17%
  5. 支援を望んでいないのに、配慮や助けを押し付けられた:16%

一方で、「特に負担に感じたことはない」と回答した方は33%と最も多く、支援の受け取り方は個人によって大きく異なることも明らかになりました。この結果から、支援者側は相手の意思や希望を尊重し、適切な距離感で接することが重要であることが示されます。

復職経験者が望む支援の在り方

復職者が職場や社会の“支援者”に求める対応(複数回答)については、特に多かった回答は以下の通りです。

  1. 回復ペースは人それぞれと理解してほしい:39%
  2. 状況を見て、適切な距離感で接してほしい:28%
  3. 本人の意思や希望を尊重してほしい:26%

これらの結果から、復職者は画一的な声かけではなく、個々の状況やペースに合わせた柔軟で共感的な支援や配慮を求めていることが示唆されます。

復職経験者の実際の声:支えになった言葉・態度

復職者からは、休職中や復職時に心の支えとなった言葉や態度として、以下のようなコメントが寄せられました。

  1. 「大丈夫だよ」とずっと言ってくれた
  2. 「もう辞めてもいいよ」と配偶者が言ってくれた
  3. 「自分のペースでいいよ」
  4. 「否定せず話を聞いてくれて、心が楽になる」
  5. 「普段と同じように接してくれた」
  6. 「今は休んで、自分の人生を大切に」と気持ちを尊重された経験
  7. 「安心して休んでていいよ」と妻から言ってもらえた
  8. 「やりたいことをやってみたら」と言われたので、しばらくやりたいことをやっていた

これらの回答から、復職者にとっては言葉だけでなく、そばにいてくれる存在や日常の小さな支えが心理的安心感につながることが示されています。

復職経験者の実際の声:支えてくれた人への感謝

復職者からは、支えてくれた人に伝えたい言葉として、以下のようなコメントが寄せられました。

  1. 「息子へ。毎日寄り添ってくれて本当にありがとう。支えられて助かりました。感謝でいっぱいです」
  2. 「お母さんへ。いつも愛を伝えてくれてありがとう」
  3. 「妻へ。いつも負担をかけて申し訳ない。再発しないように、定期的に通院して回復していきますので、見守っていてください。いつもありがとう」
  4. 「自分の親へ。働くことを応援し続けてくれていることに感謝したいです。しっかり見守ってくれてありがとう」
  5. 「いつも気持ちに寄り添ってくれて本当に救いでした。ありがとう。今度は私が支えになりたいです」

これらの回答から、復職者にとっては、日常的な見守りや寄り添い、温かい言葉かけが心理的な支えとなり、回復や前向きな働き方につながっていることが示唆されます。

調査概要

  • 調査名:「復職を支える周囲の人・関わり方」に関する調査
  • 実施時期:2025年9月
  • 調査手法:インターネット調査
  • 調査対象:メンタルヘルス不調(うつ病、適応障害など)で休職後、復職した全国のビジネスパーソン
  • 回答数:100名
本調査監修者:山下明子

本調査監修者:山下明子

【所属・経歴】

  • 佐賀県鳥栖市生まれ。内科医、脳神経内科医、医学博士、産業医。
  • 医療法人社団如水会今村病院 副院長。
  • マインドフルネス、well-being、栄養、運動、睡眠、脱依存、習慣化という7つの要素を提唱。
  • 現在は、診療、産業医活動、YouTube配信、執筆などをおこなっている。