

サービス利用事例
「復職判定の客観的根拠」と
「担当者支援」
専門家との連携で目指す
再休職ゼロの職場づくり
東京モノレール株式会社
- 経営戦略本部 勤労グループ 次長有坂 謙治さま
- 経営戦略本部 勤労グループ 主査秋山 千枝さま
提携リワーク機関サービス
導入のポイント
課題
- 復職の判断基準が“主治医の診断書”のみであり、現場の実情に即した明確な社内基準がなかった。
- 駅務や乗務など専門性が高く勤務が不規則な“現業部門”は、復帰のハードルが高く、復職可否の判断が困難だった。
- “復職可”の診断で復帰しても、実際の業務負荷に耐えられず、再休職や退職に至るケースが発生していた。
- 休職中の社員に対して会社としてできる支援策やノウハウが不足しており、担当者が手探りで対応に苦慮していた。
決め手
- 休職者へのプログラム提供だけでなく、人事担当者への専門的なサポート(相談対応)がある点に魅力を感じた。
- 復職判定において、リワークセンターでの訓練状況という“客観的な評価(第三の目)”が得られる点。
- 企業側の費用負担がなく、コスト面での導入ハードルが低かった点。
- 休職中の社員の“居場所”を作り、孤独感を解消できるサービス内容が、自社の課題解決に合致していた。
効果
- 担当者だけで抱えていた悩みをいつでも専門家に相談できる安心感が生まれ、心理的負担が大幅に軽減された。
- “リワークセンターへの通所”という具体的な支援を提示できるようになり、休職者対応の選択肢と体制が整った。
- 通所中の社員から「生活リズムが整った」「外出の目的ができた」などの前向きな変化が見られ、効果を実感している。
- 復職判定に客観的な根拠を持てるようになり、再休職リスクを低減できる仕組みが構築できた。
日本最大の空の玄関口「羽田空港」と都心「浜松町」を最短13分で結ぶ東京モノレール株式会社。昨年、開業60周年を迎えた同社は、JR東日本グループの一員として「安全・安定輸送」を最優先に掲げています。
しかし、鉄道事業者ならではの”専門性の高い業務や特殊な勤務体系”ゆえに、メンタルヘルス不調者の復職判定には独自の難しさがありました。「主治医の診断書だけでは、現場に戻れるか判断できない」――そんな課題を解決するため、同社はリワークセンターと連携した新たな復職支援モデルを導入します。
今回は、経営戦略本部 勤労グループで人事労務全般を統括し、健康推進リーダーも務める有坂謙治さまと、安全衛生・福利厚生業務を担当し、休職者支援の実務を担う秋山千枝さまにインタビューを実施。導入前の深い苦悩から、専門家のサポートを得たことによる変化、そして“再休職ゼロ”にかける想いについて、詳しくお話を伺いました。
安全を守るプロフェッショナル集団ゆえの課題。
復職基準の曖昧さと担当者の孤独
近年、企業におけるメンタルヘルス対策の重要性が増していると感じますか?
有坂さま:はい、非常に強く感じています。私たちの事業の根幹は、お客さまを目的地まで安全にお運びすることです。「安全・安定輸送」を第一の使命として掲げていますが、それを実現するのはシステムや車両だけでなく、そこで働く「人」が大きな役割を担っています。社員が心身ともに健康で、高いパフォーマンスを発揮できる状態であることは、お客さまの安全を守るために欠かせません。
また、昨今は鉄道業界全体で新規採用が非常に厳しくなっています。そうした背景のなかで、縁あって入社してくれた社員に、長く健康で生き生きと働いてもらうことは、経営上の最重要課題の一つです。病気やメンタルヘルス不調になったとしても、適切な治療を経て職場に復帰し、キャリアを継続できる“治療と仕事の両立支援”の仕組みづくりは、企業としての責務だと捉えています。
サービス導入以前は、どのような課題に直面していましたか?
秋山さま:私たちが直面していた一番の課題は、復職に関する“明確な社内基準”が存在ず、判断のよりどころが主治医の診断書しかなかったことです。主治医の先生からは、日常生活が送れるようになったというレベルで“復職可”という診断書が出されることがあり、会社としてもそれを尊重して復職を認めていました。
一方で当社には、駅でお客さまをご案内する駅係員、列車の運転士、運行を管理する指令員、そして車両や設備の保守をおこなう技術系社員など、いわゆる”現業部門”と呼ばれる職場が多くあります。これらの業務は、一般的なオフィスワークとは異なり、非常に高い専門性が求められます。また、始発から終電まで運行を守るため、宿泊勤務や夜勤といった不規則なシフト勤務が前提となるうえ、秒単位のスケジュールのなかで、常に緊張感を持ち続けなければなりません。
本人は「治った」と思って復職したものの、現場のスピード感やプレッシャー、不規則な生活リズムに心身がついていかず、短期間で体調を崩して再休職してしまったり、自信を喪失して退職に至ってしまったりするケースが発生していました。「復職の基準が曖昧なままでは社員を守ることができない」それが最大の悩みでした。
当時、担当者ご自身の負担はいかがでしたか?
有坂さま:復職の判断基準が曖昧だったため、私たち担当者としても「本当にこの状態で戻ってもらって大丈夫なのだろうか」と不安を抱えながら、手続きを進めることが多かったです。ご本人からは「早く復職したい」「経済的に不安だ」という焦りの声が届き、現場では「本当に対応できる状態なのか」という懸念があり、判断には常に不安がつきまといました。
主治医の診断書には”復職可”と書いてあるけれど、客観的な判断材料がなく自信を持って決断できない……そんな葛藤を抱える日々です。また、休職中の社員への関わり方についても課題がありました。自宅療養を続けている社員に対して「ただ待っているだけで、会社としてできる支援はないのか」「休職者を孤立させず、復職に向けて一歩踏み出すためのサポートができないか」と、常々模索していました。
「第三の目」と「専門家の伴走」
Rodinaを選んだ理由と導入効果
課題解決のためにどのような方法を考え、サービス導入に至ったのでしょうか?
秋山さま:社内で議論を重ねた結果、「主治医と会社だけの判断では再休職リスクはなくせない」という結論に至ります。医療と管理の視点の間にあるギャップを埋めるため、専門的な知見を持つ外部機関の活用を決めました。
狙いは大きく二つあります。一つは、復職判定に“第三の目”を取り入れることです。リワークセンターでの訓練状況や生活リズムといった“客観的な評価”を判断材料に加えることで、エビデンスにもとづいた適切な判定が可能になります。
もう一つは、休職中の社員に“居場所”を作ることです。ただ外出を促されても行く当てがなく、悩みを抱え込んでしまう社員は少なくありません。通所を“外出の目的”とし、専門スタッフや仲間と交流することで、社会との接点を保ちながら安心して回復できる環境を提供したいと考えました。
Rodinaに依頼した決め手を教えてください
有坂さま:Rodinaを知ったきっかけは、再休職防止と休職者ケアの課題解決策を探していたときに見つけた「メンタル休職者支援セミナー」です。その内容が当社の悩みに合致していたため、すぐにオンライン個別相談を申し込みました。
依頼の最大の決め手は、当社の課題に的確に応えてくれるサービス内容だったことです。休職者本人への復職プログラムの提供だけでなく、私たち人事部門の担当者に対しても専門的なサポートを提供してくれる点が非常に魅力的でした。
専門知識がないなかで、手探りで休職者対応をおこなっていた私たちに対し、Rodinaは制度設計から日々の細かな対応まで相談に乗ってくれます。さらに、企業側の費用負担がないため、コスト面のハードルがなく、社内決裁がスムーズに進んだことも大きな後押しとなりました。復職判断に不可欠な“客観的な評価”が得られる点も重要なポイントでした。
サービス導入によって得られた効果を教えてください
有坂さま:契約は2025年1月(取材日の11ヵ月前)からスタートしたばかりですが、効果はすでに感じています。 まず、担当者だけで抱えていた悩みをいつでも専門家に相談できる安心感が非常に大きいです。「どう対応すればいいのか」と迷ったとき、すぐにRodinaに相談できるホットラインがあることは、私たちの精神的な負担軽減につながっています。
現在は複数名の社員がリワークセンターへ通所しています。まだ復職に至った社員はいませんが、通所している社員からは「毎日外出する目的ができた」「生活リズムが整ってきた」「スタッフの方に悩みを聞いてもらえて安心した」といった、非常に前向きな声が届いています。
これまでは「ただ待つ」ことしかできませんでしたが、休職者に対して具体的な選択肢を提示できるようになったことは、会社として大きな進歩です。休職者にとっても、会社が自分をサポートしてくれていると感じられることは、安心感につながっているはずです。
心強いパートナーを得て、“再休職者ゼロ”を目指す
導入後の率直な印象はいかがですか?
秋山さま:率直に申し上げますと「心強いパートナーを得た」という感覚です。私たちの課題である、復職判断のサポートから休職中の社員本人の受け入れ、そして通所中の状況報告まで、困ったときに迅速かつ丁寧に対応していただけるので非常に助かっています。
私たち担当者にとっても、メンタルヘルスに関する専門知識がなく対応に不安に思っていた点が解消され、自信を持って復職支援に取り組めるようになりました。
今後、Rodinaに期待されていることがあれば教えてください
秋山さま:まずは、現在リワークセンターへ通所している社員のサポートを継続し、焦らずじっくりと回復を図りながら、適切なタイミングで職場復帰へ導いていただきたいです。
そして中長期的には、今回の取り組みで得られた知見やノウハウをお借りしながら、復職に係る社内規則やルールの整理・見直しをおこないたいと考えています。再休職者を限りなくゼロにすることを目指し、引き続き当社と伴走していただきたいと願っています。
専門性の高い職場こそ外部連携を。悩める担当者へのメッセージ
「提携リワーク機関サービス」は、どのような課題を持つ企業におすすめできますか?
有坂さま:私たちのように、復職後の早期再休職や退職に悩んでいる企業には、ぜひおすすめしたいです。また、休職中の社員ケアについて社内に専門知識がなく、手探りで悩みながら対応している企業にも良いですね。担当者だけで抱え込まず、専門家の力を借りることで、対応の質は大きく変わると思います。
さらに、鉄道業界のように専門性が高く、特殊な勤務体系を持つため“復職のハードルが高い”職場を抱える企業にとっても、Rodinaのサービスは非常に有効です。独自の事情がある中でも、回復度合いを“客観的に評価”してくれるため、ミスマッチのない復職判断ができるようになるはずです。
サービス導入を検討されている方にメッセージをお願いいたします
有坂さま:私たちは今回の経験を通じて、休職者に対する復職支援は、会社と医療機関への通院だけでは不十分な場合があると痛感しました。現代のストレス社会において、メンタルヘルス不調は誰にでも起こりうることです。だからこそ、起きてしまったときにどう支えるかが企業の真価を問われます。
Rodinaのサービスは、休職者本人への手厚い支援はもちろん、私たち企業側の担当者への支援も同時におこなっていただけます。これは他にはない大きな特長だと思います。
もし今、休職者への対応や再休職のリスクに悩んでいるのであれば、自分たちだけで解決しようとせず、専門家の力を借りることを検討してみてください。それは決して恥ずかしいことではなく、社員を守り会社を守るための前向きな選択肢であるはずです。
- 社名
- 東京モノレール株式会社
- 事業内容
- 空港アクセスを中心としたモノレールによる鉄道事業など
- 設立
- 1959年8月7日
- 従業員数
- 318名(2025年4月1日現在)
